シニアお役立ガイド

気を付けたいシニアの健康【 脳卒中】

脳卒中は頭の中で起こる病気で「がん」、「心筋梗塞」、「肺炎」についで、日本人の死因の第4 位ですが、「寝たきり」になる原因としては、第1 位の病気です。【脳卒中】には、脳の血管が破れて出血する「脳出血」、「くも膜下出血」、と脳の血管が詰まる「脳梗塞」があります。
ぜひ予防にお役立て下さい。

1.脳出血

脳の中の血管ががもろくなり、出血が起こった状態です。
いろいろな原因で起こりますが、最も多いのは高血圧によるものです。

2.くも膜下出血

脳の表面にあるくも膜と、脳の間にある大きな血管に動脈瘤という膨らみができて破裂する
ものが「くも膜下出血」です。

3.脳梗塞

脳卒中の2/3はこの脳の血管が「詰まる」ことでおこる脳梗塞です。
脳梗塞には、脳の血管が傷んで起こるものと、
心臓にできた血の塊(血栓)が流れることで、脳の血管に詰まりおこるものがあります。

〈”予防”することが大切です〉

■脳卒中の主な原因は、「高血圧」・「糖尿病」・「脂質異常症」・「喫煙」・「多量飲酒」と
「不整脈(心房細動)」などがあげられます。
■もしも…脳卒中を発症してしまったら…
合い言葉は、「ACT FAST」 です。顔(Face)、手(Arm)、言葉(Speech)の異常が
突然現れたら脳卒中を疑い、症状が出た時刻(Time)を確認して、
急いで(FAST)、行動(ACT)。すぐに救急車を呼びましょう。

■健診・人間ドックの結果を確認しましょう
• 高血圧・糖尿病・脂質異常症、不整脈(心房細動)の有無を、確認しましょう。
• 健診・人間ドックの結果を振り返って「わからないなあ」「困ったなあ」「禁煙できないなあ」と思ったら…
• かかりつけ医、専門医に、相談しましょう。

■かかりつけ医、専門医とともに血圧確認
• 血圧を自宅で測定(少なくとも朝,夜2回,安静にしてから測定)しましょう。
• 血圧手帳に血圧の数字を記録しましょう。
• 血圧手帳は、医師に確認してもらいましょう。

脳梗塞の予防へ、心房細動を早く見つけて管理しましょう

• 検診、人間ドックで高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙・多量飲酒に加えて心房細動を指摘されていないか確認しましょう。
• 心房細動の症状は「どきどきする」、「胸が苦しい」、「階段や坂を上るのがきつい」、「息が切れやすい」、「疲れやすい」です。
• 脈の乱れに気がついたら、医師に相談しましょう。

お薬は規則正しく内服しましょう

• 処方されたお薬は、お薬手帳で内容と飲み方を確認し,確実に継続して内服しましょう。
• お薬を飲みにくい、内服を忘れた、紛失したなど困ったら、すぐに医師・薬剤師に相談しましょう。

生活習慣の改善を目指しましょう

• 脳卒中予防の第一歩は生活習慣の改善です。
• 塩分摂取を減らし、野菜や果物を増やすなど、バランスの良い食事を規則正しく摂るように心がけましょう。
• 禁煙、節酒、適切な運動習慣を心がけましょう。

かかりつけ医、専門医とともに改善しましょう

• 脳卒中の危険因子、心臓や脳の病気、その他持病がある方は、運動の質と量を医師に相談しましょう。
• 太りすぎ(BMI30以上)ややせすぎ(BMI18.5未満)にならないように体重を管理しましょう。
• メタボリック症候群にも注意しましょう。
*BMIの計算式(BMI = 体重kg ÷ (身長m)2)

脳卒中かもしれない?!と思ったら

• すぐに救急車を呼びましょう。
• 発症後早期の専門的治療によって命を救い、症状を軽くすることが可能です。

ACT FAST 家族で忘れず日頃から

● 「突然」の顔の歪み(Face)、手の力が入らない(Arm)、
呂律が回らない・言葉がでない・他人の言うことが理解できない
(Speech)ことに気がついたら、それは脳卒中の可能性があります。
● 脳卒中、と思ったら症状がでた時刻を必ず確認して(Time)、
すぐに救急車を呼びましょう(ACT FAST )

おわりに:脳卒中の予防と発症時の対応

• 脳卒中は、脳の血管の病気です。
• 予防には、高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙・多量飲酒と心房細動の管理が大切です。
• 発症した場合は、時が命、ACT FAST です。

耳寄り18号脳卒中